天候が思わしくないため、入り鳥ノ子沢に代えて日帰りの本ルートにした。
予報では10時頃から小雨ということだったが、実川の駐車場から天神堂沢へ向かう途中強い雨が降った。一時は中止しようかとも思ったが、間もなく雨はあがり、空も結構明るかったので予定通り入渓した。
天神堂橋の真下に12Mナメ滝が懸っており、橋の左岸側から滝の途中に降りて上半分を登る。小滝、2×3と続いた後、左に(1:2)で枝沢を分ける。水は温くやや茶色っぽく濁っており、岩は滑り気味で、とても綺麗だと思える渓相ではない。
4M、6M2段ヒョングリと越えていくが、見た目大したことない滝も、フェルトのフリクションの効きがあまりよくないので気が抜けない。
左に滝を懸ける枝沢を分けると基部に倒木が山のように堆積した奥にスラブ滝が見えてくる。ナメが断続するようになるが、雪渓の名残の泥が沢のいたるところに堆積していてすっきりしない。8M、3Mナメ滝を越えるとナメが続く左の枝沢と樋状の本流が(1:1)で分かれる。
しばらくナメ交じりのゴーロを行き3M+3Mの2段の滝を越えると完全にゴーロの沢となる。泥に埋まった雪渓の残骸を過ぎ、790M付近で右岸のブッシュ帯を100M強登って水晶尾根の940M付近に出た。
尾根には踏跡があり、すっぱり切られた木が見られる。これを辿れば水晶尾根末端か実川あたりに下降できそうだ。
尾根の東側は西側よりも幾分ブッシュが少なく下降は容易である。880Mあたりで沢型が形成され、750Mあたりから水が流れていた。
天神堂沢と似たような渓相だと思って下降していたが、ナゴ沢の方が滝が多くゴルジュもあって、天神堂沢の遡行よりも苦労する。563Mの枝沢出合の手前にゴルジュがあり、このゴルジュには三つのCS滝が懸ている。最初は滝上の石にスリングを通して支点を作って懸垂、二つ目と三つ目は埋まった流木を支点にまとめて懸垂で降りた。左岸から出合う(1:1)の枝沢に続く4MCSも懸垂下降した。
続く5M滝を下降した後、490Mの枝沢を右岸から併せるまでは何もなく、出合下流の5Mと2×3はまとめて右岸を巻いて降りた。400M左岸枝沢出合の手前にかかるいくつかの滝はまとめて左岸を巻いて合流点に降りていく小尾根を末端まで辿った。
このあと裏川に注ぐ出合付近のゴルジュに差し掛かり、滝が続いているうえに支点になりそうな石や木が見えないため左岸を巻くことにする。
左岸を出合に向って下降していくとゴルジュには滝が連続していた。尾根は本流に向けて急下降しており、本流もゴルジュになっているようだった。この辺りには要所口から道が続いているはずだが、沢沿いにはついていそうもないし、沢沿いだとすると既に増水しているので通れない可能性があるため、尾根を登り返す。しばらく登ると鉈目がついた踏跡があり、この道をトレースして裏川堰堤へ向かった。
道は断続的に不明瞭になるが、幾分ブッシュが薄いところを目指していくと、だいたい踏跡が現れてくるといった感じだった。要所口に近づくとかなり明瞭になってくる。要所口から裏川堰堤へ向かう途中も、草薮に差し掛かるところで何か所かかなり不明瞭なところがあり、まともに藪漕ぎになってしまった所もあった。
今回遡行・下降した二本の沢は、いずれも雪渓による泥や倒木が多く荒れた印象で、堆積した泥のため水も濁っている上に温かった。時期的には、下流部から中流部では虻に付きまとわれたので、2週間以上遅い時期に訪れた方がよかったと思う。
※オンベ松尾根の登山口に向かう林道のゲートは旧実川集落より数百メートル奥の大持場沢の対岸付近にある。
※水晶尾根には踏跡程度の道がある。通行を著しく妨げる太い木は鋸で切られた痕跡があった。
※裏川左岸の道は要所口より高度を上げるが、不明瞭なところが多い。要所口に近づくとかなりはっきりしてくる
天候:曇時々雨
実川(6:40)-天神堂橋(7:25/7:40)-天神堂沢790M付近(9:40)-水晶尾根940M(10:25)-ナゴ沢563M(11:55)-出合付近ゴルジュ上(13:40)-要所口(15:45)-裏川堰堤(16:50)-実川(18:05)