内川 中ノ俣沢

中ノ俣沢に架かる林道の橋の手前から沢の左岸の道を少し入った右手の広場に車を停めた。道は堰堤まで続いているが、車で進んでしまうとバックで戻らなければならなくなる。

堰堤の手前から右手に登っていく踏跡を辿ると簡単に堰堤を越えることができる。堰堤上は河原となっており穏やかな流が続いている。380M手前で左岸に(4:1)で枝沢を分けると河原が終わってゴーロに変わる。そのゴーロもすぐに終わり、ブッシュが後退してゴルジュへと変わっていく。腰辺りまで浸かる程度の深場も、この時期には冷たくてつらい。400M手前で(1:3)で枝沢を分けた先でゴルジュはやや開けてくる。ちょっとした深場を左から巻いて、4Mの滝を左のバンドから巻くとゴルジュを抜けて穏やかな渓相になり、410Mの二俣に至る。

入渓点付近
河原が続く
小さな釜が連なるゴルジュ
深場を巻いて懸垂で戻る
4Mの滝を巻くと穏やかな渓相になる

二俣を過ぎて左俣に入ると両岸急峻に切り立ったV字谷となる。正面に細い流れの20M滝が見えてきて、本流は左へ折れて視界から消えている。屈曲点まで行くとスラブ状の10M滝が現れる。ロープを引いて空身で右壁を登った後、二人分の荷揚げをし、後続を確保する。続く二つの小滝をそのまま左岸から巻いて沢に降りる。

深く切れ込んだV字谷
10Mスラブ状の滝

滝上は穏やかな渓相だが、間もなくゴルジュとなって3M滝が懸る。右壁に沿って斜上して大岩の裏を回り込んで落口に立つ。470Mで(1:2)で枝沢を分けた後、泳ぎになりそうな深場が出てくるがとても突っ込んでいく気にはならず、左岸の草付に取付く。全く草付をこなせない高森さんにロープを出し、トラバースをやめて樹林帯まで登った後懸垂で沢身に戻る。

すぐに8M直瀑に阻まれて、20Mほど戻って右岸の細い枝沢から巻こうとしたが、特に難しとも思わなかった斜面を高森さんは躊躇して登ってこない。何とかスタンスを指示して登ってもらい沢に戻ろうとしたが、先にはここまで以上に難しそうな滝が続いている。ここまでの高森さんの振る舞いから判断して遡行継続不可能と判断してエスケープを決断する。

8M滝

左岸のブッシュ帯を登って小尾根に取付いたところで昼食を摂り、410M二俣からあいの峰へと登っていく尾根に出る。ここでも数分進んでは2~3分待つといった具合で一向に進まない。宿を予約しているので何とか17:00までには下山したかったが断念せざるを得ず、岩魚沢への廃道を辿る予定を変更して温身平に下山して、飯豊山荘からタクシーで三好荘へ向かった。

あいの峰を目指して尾根を登る
あいの峰からはっぽうはげまで二重稜線の区間が多く木立が少ない
梅花皮ヒュッテ私有小屋 ここから温身平に向かって下降

 

同行者の記録

遡行図

 

天候:晴

山行最終日:2018年11月3日
メンバー:長島(L) 高森
山域: 飯豊連峰 荒川
山行形態: 沢登り
コースタイム:
駐車スペース(7:10)-410M二俣(8:20)-550M付近の左岸650M(12:00)-あいの峰(14:50)-はっぽうはげ(15:50)-梅花皮ヒュッテ私有小屋(16:40)-飯豊山荘(17:30)
地形図:長者原
報告者:長島