加治川 蟹沢

長島代表の加治川シリーズ、今回は蟹沢である。悪溪として知る人ぞ知る都沢の1本下流に位置し、名前からして一癖もふた癖もありそうな怪しさだが、さもありなん。明けても滝、暮れてもゴルジュ、ツルツル、ヌルヌル、草付、涸棚、次から次へと現れてお腹一杯になった。

金曜夜、いつもの西新発田駅近くの駐車スペースにて泊。翌朝、コンビニで朝飯をすまし加治川治水ダムに向かう。治水ダムのPから歩き出すが、もう殆どアブがいない。30分ほど歩いたところで対岸に蟹沢が連瀑で出合う。急な樹林帯を下降、大分水量が減っている加治川を徒渉して蟹沢に取り付く。出合の12m滝は登れず、左岸から巻く。次の3m滝を右壁から登り、7mCS滝を左岸から巻くと傾いたゴルジュとなり、再び登れない6m滝を左岸から巻く。巻き自体は結構しっかりした灌木が生えているのでそれほど悪くない。途中、沢を覗くと登れそうもない10m、3段20m滝がかかっていたのでまとめて巻いた。一旦ゴルジュが途切れた後、再びゴルジュの中に3段6mの磨かれた滝がかかる。2つ目をショルダーで越すと弱点のない3つ目の滝。少し手前から右岸の岩に取り付いて巻いたが少々悪い。ゴルジュは幅2mほどに圧縮されて延々と続き、その中に3m内外の小滝が連続する。登れない2m滝を右岸から巻くが、取り付きの泥壁がいやらしい。ザイル使用。Co500手前でゴルジュはいったん途切れるが、それも一瞬で3段25mの大滝は左岸から巻く。更にゴルジュは続く。泳ぎを交えたへつり、狭いゴルジュ。6mの次の2段10mは長島さんが空身となって右壁を登り、荷揚げする。Co710右岸枝沢出合まではひっきりなしの滝の処理。その枝沢出合には数少ないテンバ適地がある。

再び滝場が始まる。大体直登していけるが、簾状の2条15m滝は左壁に取り付くも上部がぬめっていて緊張する。Co820右岸枝沢出合付近に貴重な砂地があり、今日はここで泊まる。滝の記述はかなり省いたが、とにかく滝の応接に忙しい一日だった。長島さんのちらしずしを食べつつ焚火にあたる。

31日。今日は朝から天気が良い。しかし沢は相変わらず滝を連続させ、行程は捗らない。V字ゴルジュの中のツルツルの5m滝は左岸ルンゼから巻くがやはり急峻だ。斜め懸垂10mで沢に降りる。Co990あたりで左岸から複数の湧き水があり、これがこの沢の水源となっていた。以後、全くの涸れ沢になってしまう。しかし中はゴルジュで涸れ棚が連続する。のっぺりした6m滝は左岸草付を長島さんが空身でトラバース、少し直上して巻いた後荷揚げ。抉れた2m滝はショルダー。とにかく性質の悪い涸れ小滝がこれでもかと出てくる。食傷気味である。Co1270にしてようやく滝が消え、あとは少々藪をこいで蒜場山に立った。晴れ渡って展望抜群であった。あとは下るにつれて蒸し暑くなる登山道を2時間半でPに戻る。登山道途中のブナ林の中のテンバはなかなか素敵だった。

山行最終日:2014年8月31日
メンバー:長島(L) 井谷
山域: 同行者の記録
山行形態: 沢登り
コースタイム:
地形図:東赤谷・蒜場山
報告者:井谷