大白布沢タカツコ沢~穴沢

27日小雨

川入へ向かう道沿いに無人の野菜直売所があり、特産のアスパラがあるかどうかチェックするのが恒例となっている。今日はどうかな・・・とのぞいて見るとたくさん並んでいる。アスパラ2束とミニトマト1袋を仕入れる。
昨夜から小雨が降り続いているが、林道から見える大白布沢は増水している様子はなく、予定どおり遡行できそうだ。
御沢キャンプ場に車を停め、準備していると少し雨脚が強くなってきたので、水場の屋根の下で雨宿りしながら様子を見る。20分ぐらい経つと雨が弱くなってきたので出発する。

タカツコ沢に入るとすぐ両岸が狭くなり、奥に懸かる2m滝は右から巻く。開けたゴーロが続き、穴沢出合を過ぎると滝が現れはじめる。2条5m滝は中央の岩壁を登る。8m滝はロープが出て、水流右から取り付き、右上へ斜上するバンドを辿る。2m,4mの2段滝を右から越えると、ゴーロの奥に多段6m滝が見えてくる。ここは右のブッシュ帯から巻く。

2m,3mの2段滝や小滝の連瀑を越え、岩盤の上を流れ落ちる8m滝は左から巻くと、さらにナメ滝が続く。

小滝やゴーロが続き、前回左から登った多段6m滝は右から巻く。2m,3mの2段滝はロープで確保してもらい、2段目右壁の凹部を登る。小滝の連瀑を登っていいく。岩盤の上を流れ落ちる8m?滝は左から巻く。昼食とする。

3m滝を2つ越え、次の3m滝は右のバンドから行けるが落ち口に出るところが傾斜があってつるつる。長島さんはひょいひょいと歩いていったが我々にはお助けひもが出る。2m~4m位の滝が続くがいずれも左右から越えられる。6m滝は右のブッシュ帯から巻き、懸垂で降りると、ナメの小滝が連続し気持ちがよい。次の5m滝は右から落ち口へ向けて斜上、最後はやや水勢強い流れの中に足を置いて滝上に出る。

続く6m滝は左のルンゼを途中まで登り、ロープで確保してもらい、草付とスラブの境目を登る。少し行くと6m滝が懸かるが登れないので右岸のブッシュ帯に入って巻く。踏跡があった。泥壁をブッシュを掴んで上がり、懸垂下降するが、さらに登れない滝が続いているので、再び右岸から巻いて懸垂で降りる。
1080m付近の枝沢が右から入り、10m滝となって落ちている。ゴーロとなり、おっかえし沢、地蔵沢を過ぎる。4m滝は右の草付から巻くルートを探るが良くないらしく、ロープを出して手前の釜に浸かって取り付き、水流の左側を登る。次の右壁が赤いCS5m滝は、体をうまく使ってCSと右壁に両手両足で突っ張るようにして登る。

V字谷のゴーロを進む。鳥居さんは久しぶりの山行で動きがゆっくりになってきた。ちょうどテンバに出来そうなスペースを見つけたので、「ここで泊まる?」と聞くと、「三国小屋まで行きます!」と返事が返ってきたので先に進むことにする。今日はタープしかないし、寒そうだし、私も小屋に泊まりたい。もう面倒な滝はないだろうと思っていると4m滝が現れる。登れないのでロープを出して右から巻くが落ち口へトラバースするところが少し怖い。さらに10m滝が現れる。ここもロープを出して右の草付斜面へ上がり、右壁のスラブを登る。セカンドの鳥居さんを見守る間もブヨがどんどん寄ってくるので閉口する。スラブ壁はスタンスやホールドがあり苦労はしなかったが、割と立っているので高度感あり。全員登り終わったところで時刻は18時20分。うす暗くなってきた。

1450m付近で水量比1:1で右に枝沢を分け、我々は左へ進む。もう何もないだろうと思ったが、先を見ると沢は右へ曲がっていき、そこに登れなさそうな滝が懸かっているのが見える。右の草付斜面に取付き、滑り易いところではロープで確保してもらう。やがてスラブとなり、少ないながらも水が流れているので、ここで各自水を汲む。いよいよ暗くなったのでヘッデンを着けてスラブを登る。それほど急ではないが、時々ロープで確保してもらいながら登る。暗くてこのスラブの全体像が見えないのが残念。最後は生い茂る草をかき分けて登山道に出た。三国小屋の南側2分位のところだった。19時半、三国小屋到着。

三国小屋に入ると、てっきりまだ飲んで起きている人がいると思ったが、皆寝静まり、し~んとしている。会話はひそひそ声で、なるべく音をたてないよう沢靴を脱ぎ、装備を外す。2階の奥が空いているとのことで、2階に上がって濡れた服を脱ぎ、乾いた服に着替えた。食当の鳥居さんが作ってくれたツナサラダと、買ってきたアスパラを茹で、これらをつまみに、ビールで乾杯。メニューは巻きちらしずしとみそ汁。すぐ近くに寝ている人がいるので気を遣ったが、ひそひそ声で控えめに話しつつも楽しい時間が過ごせて満足、満腹になって眠りにつく。

 

28日曇り

7時半、もやの中、三国小屋を出発。剣ヶ峰の岩稜を過ぎ、地蔵山のトラバース道に入る。地蔵山へ向かう道との合流点から少し下ったところから右側の斜面を降りて行く。薮が濃いのは最初だけであとは薄くなりブッシュを掴みながら降りていく。8時半頃、右手にはっきりとした沢型が現れ、2m滝の前に降りる。

2m滝をクライムダウンすると、5,6mの滝が続く。クライムダウンや懸垂下降で降りていく。鳥居さんがいるので急な斜面を巻いて降りるより安全な懸垂下降を選択。私も懸垂下降のほうが安心ですが。だが、この後も滝が続きそうな感じで、懸垂用の捨て縄が足りるか心配になる。1ヶ所は長島さんが人間アンカーとなり、鳥居さんと私は懸垂下降し、長島さんはクライムダウンする。

1000m付近で左から枝沢が入ると開ける。この枝沢のほうが水量が多い。4m滝をクライムダウンし、20m滝、CS8m滝は左岸から巻いて降りる。890m付近で左から十里沢が出合う。奥に6m滝が懸かっている。すぐに短いゴルジュとなり5m滝が懸かる。左岸から懸垂で降りる。

つるつるの岩の10滝を懸垂下降し、5m滝2つも懸垂下降。トイ状3m滝を左から通過すると、800mあたりから穏やかになり、見覚えのある河原が見え、タカツコ沢に出る。大白布沢手前のゴルジュは右岸に巻き道があるのを発見し、これを辿る。あとは昨日歩いたルートを辿って車に戻った。

山行最終日:2016年8月28日
メンバー:長島(L) 高森 匿名
山域: 同行者の記録
山行形態: 沢登り
コースタイム:
地形図:大日岳・川入
報告者:高森