加治川 釜ヶ沢~琴沢

米倉地区にある「ねむの木の市」の軒下を借りて前泊したあと、食料調達に七軒町のコンビニまで往復してから、俎倉山登山口へ向かった。
駐車スペースは権道335号線を挟んで、林道入口の向い側にある。ゲート脇を通って林道に入るとすぐに登山口があるカーブに差し掛かり、さらに先へと進む。しばらく林道が釜ヶ沢の右岸を並行するようになり、沢から離れる直前で入渓した。

穏やかな入渓点付近の渓相

入渓点付近は森の中を流れる穏やかな平瀬が続くが、底石が赤っぽく、泥が付着しているようで美しくない。案の定、この先に小さな堰止湖を形成する堰堤が2基出てきた。一基目は左岸から巻いて堤体の上を対岸に渡ったが、堤体の上がひどく滑っていて足をすくわれそうになった。堰止湖の右岸を進み、バックウォーターに至れども、まだ底石が汚れており、まだ堰堤があることを予想する。二基目の堰堤も左岸から巻いたが、堰止湖までは巻ききれず腿まで浸かって通過した。ここでようやく底石は本来の美しさを取り戻し、気持ちよく遡行できるようになった。この地点の標高は260Mだが、早くも雪渓の残骸が横たわっていた。

靄に霞む上流

沢筋はゴルジュとなって、上流は靄に霞んでいる。狭い河原に平瀬が続く中を遡行すると、間もなく長さ40Mの雪渓が現れた。

雪渓を潜り抜ける

左に屈曲していて出口が見えないので、屈曲店で後続に合図を送って雪渓を潜り抜ける。

白っぽい岩盤が目立つようになる

所々沢床に白っぽい岩盤が出てくるようになると、左に屈曲した先に3M滝が懸る。左側を難なく登ると、再び平凡な流れが続き、ゴルジュを抜ける。

二つ目の雪渓が架かる

標高320M付近で左岸より続けて二本の枝沢が入る所に二つ目の雪渓が懸る。ここも潜り抜けたが、上流側は亀裂が入って薄くなっていた。二本の枝沢のうち、上流側の枝沢には遠目に大スラブ滝が懸っている。出合の右岸は小さな台地状になっている。

大滝を懸けて流れ込む枝沢

標高350M付近では左岸が崩壊しており、積み重なった岩を縫って登っていくと、左岸に6M、25Mと連続する滝を懸ける枝沢を分ける。

6M滝を登る

ここから再びゴルジュとなり、6M滝が懸るが、斜瀑で簡単に登れた。

7MCS滝は小さく巻いた

ゴルジュ直進方向は右へカーブする枝沢で、本流は7MのCS滝を懸けて左へ向きを変えている。7MCSは少し戻ったところからブッシュ帯に取りついて右岸を巻いた。

三つ続く滝の中段6M落口から下部を振り返る

さらに3M-6M-3Mと続く三つの滝が出てくる。最初の3Mはややバランスを要するが左側から登れる。次の6Mは確実にフリクションを効かせるようにバランスをとる必要があるが、両壁ともに登れる。ただし右壁のスラブを登ってスリップすると3M滝の基部まで落ちるリスクが高い。

水量乏しい8M3段の滝

ここを過ぎると、源頭部によくある水量の乏しい小滝がいくつかあるが、特に問題になるところはない。最後の分岐ではコルに突き上げる沢筋があまりに貧弱なので、コルの北側の712M小ピークに突き上げる沢に入ってしまったため、灌木帯をトラバースしてコルに出た。

詰め上がったコル

コルは大木が茂り下草が少なくてすっきりしている。ここで小休止した後、琴沢へ下降を開始した。

なだらかな傾斜の藪を降って、15分ほどで琴沢に降り立った。25,000図には先の林道がこの辺りまで記されているが、道らしいものは見当たらなかった。

琴沢を下降する 地形図の印象より平凡な沢だった

琴沢は地形図では沢筋が狭まりゴルジュがありそうに見えるが、樹林帯を縫って流れる穏やかな沢で、平瀬とゴーロが交互に現れるのみの平凡な沢だった。

登山道にあがるまで滝らしい滝はなかった

下降を続け、標高360M辺りから、5M3段の樋状ナメ滝、4Mゴーロ滝、樋状の滑り台が間をおいて現れ、290Mで右岸から枝沢を合わせると、右岸の斜面に登山道が並行してくる。この後、一つ小滝を巻くと、登山道が沢を横切っていたので、ここで下降を打ち切って登山道に上がった。

登山道を降って、約10分で駐車スペースに戻った。

 

同行者の記録

遡行図

山行最終日:2014年6月15日
メンバー:長島(L) 井谷 渡部
山域: 飯豊連峰 加治川
山行形態: 沢登り
コースタイム:
俎倉山登山口(6:30)-釜ヶ沢標高240M付近(7:00)-標高435M付近(9:00)-釜ヶ沢と琴沢の中間尾根コル(10:10)-琴沢標高290M付近(11:55)-登山道渡渉点(12:35)-俎倉山登山口(12:45)
地形図:東赤谷
報告者:長島