本源沢左俣~作四郎沢~恵比須沢・池の沢~大瀬戸沢上流部

胎内川流域の予定していた沢の遡下行も大詰めといったところだが、今年は加治川流域を集中して登っているので、一年振りの奥胎内だ。今回のルートは、胎内尾根を登って本源沢左俣にアクセスして、本源沢下降、作四郎沢遡行、大黒沢枝沢下降(当初の予定から変更)、恵比須沢遡行、頼母木川に移って、池の沢下降、大瀬戸沢本流遡行という長丁場だ。今回の山行で、胎内川の上流域はほぼ遡下行したことになり、下の作四郎沢を残すのみとなる。頼母木川は、この連休中に下流部から稟次郎沢を通して遡行し、完結するつもりでいる。

13日:

単独行の時はほぼお決まりのパターンとなっているが、豊栄PAで前泊して、早朝奥胎内ヒュッテに到着した。新潟県全域に低温注意報が出ているだけに、朝は肌寒いくらいだ。天候は初日があまりよくなさそうだが、予定の期間中は大降りの日はなさそうだ。

橋板を吊っているワイヤーが何本か切れた吊橋を渡って、胎内尾根に取り付く。池平峰までは結構歩かれているようだが、事実上は廃道なので、吊橋が補修されることはあまり期待できない。少し登り始めると、結構ベニハナイグチが出ているが、今回はあまり自信がなかったので、見送った。これではっきり覚えたので、次回お目にかかったらゲットしようと思う。

雨量観測所を過ぎると、踏跡は藪に覆われてくるが、何とかトレースできる。一旦降ってから、登りに転じてしばらく行くと、幾分藪が薄くなるが、郷倉峰手前から再び密藪となる。もっともひどかったのは滝沢峰で、踏跡も不明瞭で、踏跡らしきも分裂気味である。登り始めてから6時間半で、ようやく本源沢左俣への下降予定点の、滝沢峰と小桜の池の中間点のコルに着いた。

潅木を掻き分けて急斜面を下降すると、次第に藪が薄くなり、ところどころ草付が出てくると、窪が明瞭になってくる。しばらくガレた窪を下降し、標高1150M辺りで、水が湧いていて、水が流れるようになる。

本源沢源頭部

連続する小滝を下降して、左岸からの支流を併せて、尚も単調なゴーロを下降すると、5Mクラスの滝が三つ続く。まとめて左岸から巻いて降りると、右岸から滝沢峰直下から流れ出す枝沢が5MCS滝を懸けて合流していた。

滝を懸けて出合う右沢と左沢

7M2条CS滝は斜瀑で問題なく下降できる。続く10M直瀑の左岸を巻いて降りると、右岸に滝を懸けて小さな枝沢が入っていた。2M滝に続く樋状のナメを歩き、その先の釜を持った5M滝は左岸を巻いて降りる。続く10M滝も左岸を巻くと、二俣の中間尾根の先端に出た。

左岸を巻いた10M滝
釜を持った5M滝

ナメの小滝の連瀑を過ぎて、さらに少し降ったところに、幾分小高い平坦な河原があった。雨が降っており、この先増水に耐えられる幕場があるとは限らないので、ここで行動を打ち切って幕営することにした。幕場の下流側20Mくらいの所には、大滝(40M3連瀑)が懸かっていた。

二俣より下流の渓相

昼過ぎから振り続けていた雨は夕方にはあがって、特に増水することはなかった。

14日:

テントを撤収しているときに雨がぱらついたが、増水が心配になる降り方ではないので、昨日に引き続き本源沢を下降する。雨は間もなくやんだが、午前中は時折ぱらつくことがあった。

幕場にした河原

大滝は左岸の樹林帯から巻いて、下段の滝のやや下流部に突き出た小尾根の先端に降りた。

左岸を巻いた大滝を振り返る

しばらくゴーロ歩きとなり、4M滝が出てくると、その先滝が続いており、4Mと5Mの滝を左岸から巻いて降りる。小滝群の後に、両壁狭まったゴルジュを通過し、2M滝を懸垂で降り、3M滝をクライムダウンしたところで、坂上沢との出合の連瀑の上に出た。昨日の行程の遅れを取り戻すために、出合の連瀑の下降と、坂上沢の最初の大滝越えをパスして、標高差が少ない左岸の尾根を乗り越して坂上沢に入ることにした。

ゴルジュの連瀑の上から出合を見下ろす

木の間を縫ってわずかに登ると、尾根にでて、眼下に坂上沢を見下ろすことができる。直下のナメ滝はそのまま巻くように、上流側へとトラバース気味に下降して、ナメ滝に続く釜を持った小滝の上に降りた。

尾根を乗越すと眼下に坂上沢が見えてくる

坂上沢の下流部もゴルジュ続きだが、谷幅はそこそこ広く、増水しなければ泊まれそうな河原もある。谷が右にカーブした先に、深くて大きな淵があって、右岸のブッシュ交じりの草付に取り付き、釜の先で谷が左に屈曲したところにある3M滝ともども巻いて、懸垂下降で谷に戻った。

小滝を過ぎると深い釜の3M滝が懸かるが、左岸から容易に巻けた。谷が右に折れると、作四郎沢出合である、本流の坂上沢は左に折れて、奥に右岸が崩壊した岩石が累々と積み重なっている。この崩壊のおかげで、堰止湖ができており、幕場適地が底に沈んでいるのだ。これまで濁っていた水は、この堰止湖で濁ったもののようだ。一方、作四郎沢は正面に10Mの滝を懸けている。

作四郎沢出合から見た本流の渓相
出合からわずか入った所に懸る10M直瀑

左岸の草付リッジを登って、落口よりも5Mくらい高い位置をトラバースした後、滝上に下降したが、ここはさらに20Mくらいトラバースを続けてから下降した方が、斜度が緩くてよさそうだ。

左岸草付から10M滝を眼下に見る

左岸に枝沢を見送って、谷が左に折れると、10M直瀑が懸かっている。一見して巻いてしまいたくなるが、巻くには戻って大高巻きになりそうだ。滝の周囲は草付で、登るほどに急峻になっている。右壁の草付との境目付近に、断続して斜上するバンドを見つけ、このバンドを拾って、落口付近で水流際を登って滝を越えた。

左岸に斜上バンドを見つけて巻いた10M直瀑

小滝を過ぎると、綺麗なカーブを描く滝が懸かる。さらに小滝を越えると、両岸に圧迫された間に5MCSが懸かっており、右岸から巻きにかかる。巻きの途中で谷を覗き込むと、さらに大きな滝が続いており、40M5段の連瀑と、それに続く8Mと三つの3M滝もまとめて巻いた。

カーブを描く4Mナメ滝
5MCSを巻くとさらに大きな滝が続いていた
尚も滝が続いている

沢に戻ると、2Mから5Mの滝が続くが、問題になるところはない。標高885M付近で、谷が右に曲がると、その先には美しい草付のV字ラインが見えてくる。

美しい草付のV字が見られる穏やかな渓相

ここを抜けると、谷は左に曲がって、上段が二条の12M2段の滝が懸かっている。左壁に取り付くと、上部はスラブになっており、快適に登れる。左岸に枝沢を分け、釜を持ったCS滝を巻き気味に越え、さらに水流が2分して二つ並んだ7M滝を越えると、間もなく二俣に着いた。右俣は滝を懸けて流れ込んでいる。

上部が2条になった2段の12M滝
7M滝

流呈は右俣の方がわずかに長いように見えるが、岩崩レを越えて大黒沢に入るので、左俣へ進む。まだ、所々に滝が懸かるが、特に難しいところはない。ゴーロも目立ってきて、快調に高度を稼ぐ。

左俣へ進み小滝を越えるとしばらくゴーロが続く

8M滝、10M樋状の滝とも同様に、巻き気味に左壁に取り付き、上部の水流際を登る。小滝を三つほど越えると、平坦な流れとなり、さらに四つの小滝を越えると、水が枯れる。8Mの苔蒸した枯棚を登って、そのまま窪を辿っていくと稜線の藪に突き当たった。

基部左壁から水が湧いている8M滝
樋状の10M滝
苔生した枯棚

しばらく稜線の西側の樹林帯を北上して、藪が薄くなったところで尾根に乗った。東側に、快適そうな草原の広場を見下ろしながら、尾根を進む。登りにかかると、稜線上の東側が低潅木になって歩きやすくなる。所々厄介なブッシュに妨げられるが、一時間強の藪歩きで岩崩レのピークに達した。

稜線直下に広がる草原

岩崩レからは、大黒沢の枝沢を目指して、急峻なブッシュ帯を降る。しばらくは尾根も谷もはっきりしないが、間もなく潅木帯から樹林帯になるので、尾根をトレースするようにした。1080M付近で降ってきた不明瞭な尾根の左側のガレ沢に出た。ガレた沢筋を下降していくと、1050Mで右から同様の沢を併せ、925Mで本流に合流する。

不明瞭な尾根からガレ沢に出た

広いゴーロを降っていくと、2M滝の落口の左側に、イタドリが生えた小高い平坦地があったので、ここを幕場にした。

小高いイタドリの台地を切り開いた幕場

15日:

広くはないが、快適な幕場だった。6時過ぎに幕場を発つ。

2M滝のあと、直ぐに5Mくらいの滝が懸かっており、草付から潅木帯に取り付く。下流には間を空けてさらに滝が懸かっているようなので、そこまで樹林・潅木と草付の境目あたりを延々とトラバースした。少し降って、念のため太目の木の幹にロープをかけて懸垂下降していくと、連続する二つの5M滝の下に出るルンゼに行き当たり、そのままガレたルンゼを下降して沢に戻った。

再びゴーロ歩きとなるが、やがて右岸の中ほどにテラスがある釜を持った12M滝に行き当たる。去年の記憶が鮮明に甦る。巻きは大変なので、懸垂の支点を探すと、大岩と左壁に丸太が挟まっているので、先端にシュリンゲをかけることにする。苦労して登った滝も、懸垂下降だと楽々降りられる。ここからわずかにゴーロを降れば、恵比須沢出合である。

中段にテラスがある本流の12M滝

恵比須沢は12Mの滝を懸けて合流している。左壁に取り付いて、ガバを拾って登っていくが、右手にテラスを見下ろす辺りから、わずかなブッシュを頼りに樹林帯に取り付く。出合の滝の上にも、6Mクラスの滝が続く連瀑となっており、上段の滝の落口まで樹林帯を登る。

恵比須沢の出合に懸る滝
出合の滝の上は深いゴルジュに滝を連ねている

釜に浸からないように小滝を越えて、続く淵もへつってやり過ごすと、高く聳える左側壁の下で谷が左に大きく曲がる。5M滝の右壁を登ると、先に大きな連瀑が見えてきたので、そのまま5M2段の滝と、55M3段の滝をまとめて巻いた。

連瀑の上で沢に降りると小ゴルジュに釜が二つ続く
5M滝を巻いていくと3段55Mの壮大な滝が見えてきた
3段の滝のうちの上段の滝
3段の滝に続く滝の上で沢に戻った

2MCSを越え、次の10M滝は釜の手前から左岸草付を登って、ブッシュがつかめるところをトラバースする。沢に戻ろうとしたところで、「人」の字形の水流の35Mスラブ滝が見えてきたので、樹林帯に入って35Mスラブ滝もまとめて巻いた。

10M滝 左岸草付から巻いた
「人」字を描く35Mスラブ滝

スラブ滝の上はゴルジュとなり、左、右と巻きながら滝と釜を越え、懸垂で沢に戻る。小滝を越え、6M、10Mと左岸から巻いた後、交互に繰り返される浅い釜とナメを過ぎると、沢が開けてくる。

スラブ滝の上の小ゴルジュ
6M滝
10M滝
10M滝を越えてしばらくすると沢が開ける

沢が左に折れると、再びゴルジュとなり、4M滝の先の三角の釜の小滝と、それに続く二つの滝を右岸からまいて、懸垂で沢に戻る。真直ぐなゴルジュを抜けると、左から枝沢が入り、本流には8M2段の滝が懸かる。この8M滝から高度差45Mに渡って連瀑となっている。8M滝と次の小滝を直登した後、連瀑上部まで、巻き気味に右岸のブッシュ交じりのスラブを登った。連瀑に続く4M、さらに1MCSと3MCSもそれぞれ右岸を巻いて、懸垂で沢に戻る。この先の標高1195Mで、右岸から滝を懸けて枝沢が入っていた。

2段8M滝
スラブの連瀑が始まる 水流の左側を登っていく
スラブの中盤

本流の8M滝は簡単な右岸のスラブ壁を登り、4Mはアイスハンマーを使って右岸の草付を登った。次第にゴーロが目立ってきて、2M~4Mくらいの滝がいくつかかかるが簡単な滝ばかりである。

8M滝 左の緩いスラブから簡単に越える

標高1300Mを過ぎて、4M滝を左岸草付から巻くと、豊富な湧水がある。ここを過ぎると水流は急に細くなる。続く7M滝を右岸を巻いて越えると、5つの滝の後に最後の分岐となって、ここを左へ入った。水が枯れ、まばらなブッシュを掴んで登っていくと、最後はわずかな藪漕ぎで稜線の踏跡に出た。

源頭部の小滝 稜線が見えてきた

一の峰と二の峰のコルの辺りは比較的踏跡が明瞭だが、右手に大崩沢源頭の崩壊地を見下ろすようになると、突如踏跡が不明瞭になるところが何箇所かに出てきた。とは言え、それほど道が蛇行しているわけでもなく、歩きやすいところを拾っていけば、いずれ踏跡に戻ることができた。山頂直下の樹林帯では、しっかりした踏跡になり、間もなく二の峰の山頂に出た。

二ノ峰山頂付近で振り返る胎内尾根

山頂には、去年見たのと同じ光景が広がっている。一つ大きく異なるのは、藤七の池付近から門内岳にかけて、笹薮の中に一筋のラインができていることだった。
これはもしやと期待しつつ、藤七の池の畔に降りて、テントを張った。

山頂から藤七の池を見下ろす

この夜、テント際で動物の足音が聞こえた。音の感じからは、イタチかタヌキといった大きさの獣ではないかと思うが、ライトを灯して周囲を見渡した時には何もいなかった。

16日:

雨は降らなかったが、テントのアウターウォールは朝露に濡れていた。水滴を丹念に振り落として、撤収し、6時に藤七の池を発つ。

草原の踏跡を辿り、笹が踏まれた跡をトレースしていくと、途中からはっきりと笹が刈られた道になった。やはり、この一年の間に廃道の笹が刈られたようだ。おかげで、下降点までは30分もかからなかった。

池の沢への下降点

門内岳へ向けての登りになる辺りから、笹を掻き分けて池の沢へ向かって降っていく。本山行で藪の下降は三回目になるが、今回は最も手ごわい。下向きに生えた笹を掻き分けるのだが、太さ2cm近くある硬い笹は、斜面上方から掻き分けるのも容易ではない。笹薮の中に窪が出てくると、ようやく笹漕ぎから開放されるが、今度は急傾斜の不安定なガレと、ところどころ窪に被さるブッシュとの格闘が待っていた。標高1300M辺りまで降ると、湧水を発端に水が流れ出す。幕場からここまで一時間で来てしまった。

降るにつれて、沢床の石が大きくなり、ゴーロの沢になってくる。左から(1:1)で沢を併せ、三つ続くゴーロ滝と、やや離れたゴーロ滝を過ぎると、斜度も落ちて谷が開けてくる。

開けたゴーロになる
スノーブロックが散乱するが問題なく通り過ぎた

この先、右岸から合さる二本の沢は枯れており、左岸から入ってくる三本の沢は、出合に滝を懸けている。途中一箇所スノーブロックが残っているところがあるが、問題なく間を縫って通過できた。大崩沢を併せると、8Mの滝が懸かるが、右側を難なくクライムダウンできる。大崩沢の水が濁っているため、この先、本流に出合うまで、池の沢は濁っている。

大崩沢に懸る滝
8Mのナメ滝

沢が右に曲がり始めると、3M滝の先で三つの滝を擁するゴルジュとなっている。右岸に取り付きほぼ水平に進むと樹林帯に入り、懸垂下降で、ゴルジュの下に回りこんだ。小滝とナメ滝を巻くように降り、6M滝の右岸を巻き、次の6M滝の左岸の壁をクライムダウンすると、出合の滝の上に出る。滝の落口から出合の様子を窺うと、本流も滝を懸けて出合っているようである。

15M滝の落口から出合を見下ろす

本流の滝上に下降しようとした頃から、天気予報通り雷雨に遭う。雨が強くなったので、合羽を着込んで、右岸の小高い岩の上で、しばらく様子を見ることにした。

小一時間程で、雷雨は過ぎ去り、西の空が明るくなってきたので、行動を再開する。待機していた花崗岩のリスにハーケンを打って、懸垂で本流に向かって降って様子を窺うと、上流に二段の滝が懸かっていたので、中間尾根から滝を高巻くことにして、一旦登り返す。ブッシュを掴んで草付尾根に上がり、本流上流側に少しトラバースすると、懸垂なしに滝上に降りることができた。

上流を見渡すと、所々に滝が見えるが、概ねゴーロが続いているように見える。最初の3MCSは右岸の斜上バンドから越える。次に壁に挟まった釜に左から水を噴き落としている8M滝が懸かる。空身で左壁に取り付き、落口の高さのバンドに乗ったところで荷揚げして、落口へトラバースした。この先は谷底が広がり、滝は懸かるものの、ほとんどゴーロ歩きで巻いていく。池の沢出合から500M程進むと、谷は左に屈曲するが、屈曲点手前から一層谷幅が広がる。

3MCS滝
深い釜を持った3段8M滝

稟次郎沢出合は、本流が稟次郎沢に注ぎ込むような形で合流している。稟次郎沢を分けた跡も、ナメ混じりとはなるが、しばらく広いゴーロが続く。

禀次郎沢出合付近は開けた河原が続く

左岸に二本枝沢を分けると、急峻なゴーロになり、18Mの連瀑の先で三つの滝を擁するゴルジュとなる。右岸の草付交じりのブロック状の岩壁を縫うように登った後、樹林帯を下降気味にトラバースして、ちょうどゴルジュ最上段の10Mヒョングリ滝の落口に出る。

連瀑帯 右岸の尖ったピークが印象的

続く4M滝も続けて右岸を巻いて越えると、15M直瀑が懸かる。左岸ルンゼから草付に取り付いて、上部をトラバースする。8Mナメ滝を越えると、1280Mで右岸に水量比(1:1)の大きな枝沢を分ける。

15M直瀑 禀次郎沢を分けてから唯一の難所

この先にも、ナメ滝を含めて9本の滝が懸かるが、問題になるところはない。滝よりも、雪崩に押し流されてきた倒木や、笹の株が煩わしい。5本の滝を登った辺りで、稜線中央部に門内小屋が見えてきたが、すぐにガスがかかってきて、視界がなくなってしまった。

尾根上に門内小屋が見えたがこの後ガスがかかってしまった

このあと、幾つかの分岐を低い方の沢筋へ進むが、間もなく沢形が途絶えてしまった。沢形が残る右手へとトラバースしながら登るも、最後は濃密な笹と潅木の藪になり、恐らく1時間くらいの藪漕ぎの後に草原に抜けると、間もなく登山道に出た。

上流部の小滝 以外なほど早く水量が減ってきた
上流部枯棚

途中、門内清水で水を汲んで、約30分で門内小屋に着いた。
小屋は無人、9月からは管理人も週末のみとのことで、しばらくは小屋を独占していたが、6時過ぎに単独の登山者がやってきて、独占の夢は消え果た。小屋泊なので、快適に眠れるものと期待していたが、冷え込みが強く、シュラフの内壁が冷たくて眠れなかった。

17日:

この日は下山のみである。頼母木小屋を過ぎて大石山まで、なだらかなアップダウンを繰り返し、大石山から一気に足ノ松尾根を下降する。門内小屋から約5時間で、奥胎内ヒュッテに着いた。

 

遡行図:本源沢左俣作四郎沢恵比須沢池の沢~大瀬戸沢

山行最終日:2014年9月17日
メンバー:長島
山域: 飯豊連峰 胎内川
山行形態: 沢登り
コースタイム:
13日:奥胎内ヒュッテ(7:00)-池平峰(9:20)-郷倉峰(11:30)-滝沢峰と小桜の池中間点のコル(13:30)-本源沢標高770M付近(15:50)
14日:本源沢標高770M付近(5:50)-出合連瀑の上(7:20)-坂上沢(7:30)-作四郎沢出合(8:20)-二俣(12:30)-稜線(14:00)-岩崩レ(15:10)-大黒沢標高950M付近(17:00)
15日:大黒沢標高950M付近(6:10)-恵比須沢出合(8:35)-標高1020M付近(11:35)-標高1240M付近(15:10)-一の峰と二の峰の間のコル(16:45)-二の峰(17:30)-藤七の池(17:50)
16日:藤七の池(6:00)-出合(9:45/10:40)-稟次郎沢出合(11:50)-標高1280M付近(13:30)-標高1500M付近(14:50)-登山道(17:00)-門内小屋(17:30)
17日:門内小屋(7:15)-奥胎内ヒュッテ(12:10)
地形図:えぶり差岳・長者原・二王子岳・飯豊山
報告者:長島