玉川 ナダレ沢

今回は先週下降する予定を取りやめたナダレ沢を遡行する。中田山崎の売店の斜め向かいの路肩に車を停めて、入渓点へ向かう。雪崩沢橋の下は護岸されていて、水量も少なく側溝からの流入もあって、とても遡行対象となるような雰囲気ではない。

本当にこれを遡行するのか・・・?

左岸の民家脇の笹薮を30~40Mほど行って入渓する。遡行を開始すると右岸に民家が見えてきて、そこからの排水も流れ込んでいるようである。やがて水路に水を分けると5Mの堰堤に突き当たる。右から越えると藪に囲まれた泥地と言った感じだ。さらに先ほど越えた堰堤にそっくりな8M堰堤を左の踏跡を辿って越える。

水路
8Mの堰堤

何とか沢らしい雰囲気になってきた。倒木が多いものの、2M前後の滝が続く。意外にも雪渓が最近まで残っていたようなところが随所に現れる。左岸に滝を懸けた枝沢を分けたあと、左にカーブすると3Mの滝が懸り、右壁をへつるように斜上して越える。続く倒木が立てかかった4M滝を、左側の壁のホールドを辿って滝上のブッシュを掴んで越えると、両岸が切り立ったゴルジュになり7Mの直瀑が懸る。合羽を着こんで、右壁の凹角状に取付き、中間で中央のリッジ状になった岩の窪みに左足を置いて右足に乗り換え、上部は水流中にスタンスを求めサイドプル気味に引いて登った。後続を確保して引き揚げた後(上部はゴボウを要求された)、3MCSを越えるとゴルジュは終わる。

沢らしい雰囲気になる
倒木が立て架かった4M滝の左壁を登る
7M直瀑

ゴーロ滝とナメを過ぎると開けた渓相になり、このまま詰め上がるかに思えたところ、木々の緑の上に水が流れる壁の上部が見えてくる。流れの両脇がスラブ壁となった18Mの大滝だ。右壁を登れると見込んで取付いてみるが、中段から非常に滑っており、気休めの甘いハーケンを打って一歩乗り込んでみたところで登攀をやめてクライムダウンする。下部4Mくらいのところで、衝撃荷重がかからなければ抜けないだろうと思ってロワーダウンを指示したが、1Mくらい降りたところでハーケンが抜けて浅い釜に墜落した。甘いハーケンには体重相当の負荷をかけてはいけないのだと反省する。幸い尾てい骨付近の打撲と、左足小指付け根間接付近と足首を少し痛めた程度で済み、その後の行程に支障は出なかった。

短いがナメの区間もあった
18M滝

気を取り直して、下部を同じルートで登り、左岸のブッシュ帯に向かって登って大滝を巻いた。滝上からは麓の集落や対岸の低山が間近にあるかのように眺められる。

大滝を越えると谷は開けてきて、次第に水が涸れてくる。600M付近で水流がなくなるが稜線直下まで沢型が続いていてボサにも覆われていない。稜線直下20Mくらいをブッシュを掻き分けて登るとなだらかな尾根に出る。北に向かって降ると、沼川に注ぐ窪に出て、窪を30Mほど降ると登山道に出た。登山道を一時間弱で中田山崎に至る。

大滝を越えた先の渓相
稜線直下

ナダレ沢は西俣ノ峰北方尾根の東面の沢では、流程が短く等高線の詰まり具合にも特に目をひかれるようなところはないが、ゴルジュと滝を擁して変化のある沢である。下山も登山道を利用でき、半日時間をつぶすには丁度良い。下流部の堰堤下をカットできれば尚よいと思う。

 

同行者の記録

遡行図

 

天候:曇のち雨

山行最終日:2017年6月25日
メンバー:長島(L) 匿名
山域: 飯豊連峰 荒川
山行形態: 沢登り
コースタイム:
中田山崎(7:05)-雪崩沢橋(7:20)-550M(10:40)-登山道(12:00)-中田山崎(12:55)
地形図:長者原・小国
報告者:長島