滝沢は、弥平四郎集落と弥平四郎登山口の駐車場の中間付近で、奥川左岸から流れ込む奥川の支流である。標高650Mから800Mと源頭部の等高線が詰まっているが、それほど急でもないため、あまり期待していなかったが、多くの滝が懸り、なかなかの好ルートだった。
前夜は、弥平四郎登山口駐車場付近の河原で、焚き火と山菜を楽しんだため、登山口の駐車場から集落へ向けて車で移動して、林道が奥川の右岸から左岸に渡った所にある広いスペースに車を停めて、丸山さんとの集合地点の滝沢出合に向かった。撤収が遅れたため、少し焦ったが、滝沢出合付近の林道脇で支度中の丸山さんと合流することができた。
林道脇の植林帯を下降して奥川の河原に降り立つ。平らな砂地があり、薪も豊富に落ちているので、こちらに移動して泊まればよかった。
滝沢を歩き始めて、オソバ沢出合を過ぎるまでは、ブッシュが煩い河原が続き、全く藪沢の様相である。オソバ沢は下降ルートにしようかとも思っていたが、さらに藪っぽく、水量も少ない。オソバ沢出合を過ぎると、沢が左右に曲がり、藪を抜けてすっきりした渓相に変わる。
小滝を交え、5Mくらいまでの滝を5本越えると、早速雪渓が現れる。雪渓上は台地かと思えるほど土や倒木が乗っている。雪渓に乗って、難なく越えると、再び2Mから6Mの滝が続き、快適に登る。
大きな倒木を跨ぎ、15M続くナメを行くと、再び2M前後の滝が続く。小滝が連続するナメを過ぎ、小滝を交え、3M、4M、2Mの滝を越えると、二分した流れにそれぞれ3Mナメ滝、2M滝が懸る。
倒木の河原を過ぎると、3×6Mに続き、釜を持った10M滝が懸る。左壁の中程のところ2歩分くらいが、フリクション限界すれすれと言った感じで、登れるかどうか微妙な感じなので、左岸を巻くと780M出合で、左岸の支流が5M滝を懸けて入ってきている。水量は(3:2)で支流の方が多い感じだ。支流の奥には、かなりの落差の滝が見えていた。
本流は右に屈曲して、平凡な流れとなっているので、核心を抜けたかのような気になる。しかし、少し進むと、釜を持った2M滝に続き、堂々とした12M滝が遡行を遮る。滝身の右側には、中段で枝沢が入っており、その上部の壁が幾分斜めだが、ホールドがなさそうだ。直登はやめて、右岸の急なブッシュ帯に取り付いて、高度を上げたところでバンドを拾ってトラバースし、ちょうど落口に出る。
12M滝上は小ゴルジュとなっており、すぐに5M滝が続く。5M滝手前から右側壁をトラバース気味に登って、ゴルジュを抜けた。
滝上は緩やかな流れが続き、右岸には山菜豊富な緑の斜面が続く。この辺りで、昼食を摂る。これで滝も終わったかと思っていたが、また4M位までの滝が続くようになり、退屈しない。
910M辺りからは左右に何本かの枝沢を分けて、緩やかな流れとなる。
(3:2)の二俣を左へ入ると、5M前後の滝や、樋状のナメがあり、再び変化に富んだ渓相を楽しめる。20Mほど続くナメを過ぎ、2MCSを越えると、雪渓が架かり、上に乗って越えるが、すぐに切れており、右岸のブッシュ帯を伝って、上流側の雪渓に乗り移る。左岸が崩れ気味なので、右岸寄りを進むと、25M位の高度差を落ちる連瀑の前で、再び雪渓が切れる。右岸のルンゼに乗り移り、少し登った所からブッシュ帯をトラバースすると、滝上にも雪渓が続いており、その上に降り立つ。
ここからは特に危険なところもなく、途中水を汲んで、急な雪渓をひたすら登ると、山頂まで高度差100Mくらいで雪渓が終わる。水のない急峻な窪を、ブッシュを掴みながら登っていくと、広さ6畳分くらいのテーブル状の雪渓(雪田?)に出て、そこから8Mほどブッシュを掻き分けると登山道に出た。
詰めた地点から鏡山までは、標高差25Mくらいだった。鏡山山頂は草が刈られており、大日岳から本山を一望することができる絶景ポイントだったが、ガスがかかっており、山腹より上は隠れていた。景色を楽しんでいるうちに、強い雨が降り出す。上ノ越ルートを足早に下降して、約1時間半で車を停めた林道脇の駐車スペースにたどり着いた。
滝沢出合(7:45)-800M付近(12:05-12:35)-登山道(12:45)-鏡山(13:00)-上ノ越ルート登山口(14:15)-林道580M橋付近駐車場(14:45)